女性なら誰でも、童話の中のお姫様のような恋の訪れを夢見ているのではないだろうか。女性にとって現実よりも空想の世界はもっと甘いものである。ある日突然、本物の魔法にかかったら？

中世ヨーロッパの大荘園を思わせる美しい大豪邸や森と池に囲まれこの場所を、人々は“シークレット・ガーデン”と呼んでいる。この外部と遮断された場所に、ヒステリックで高慢なデパートの社長であるジュウォン（ヒョン・ビン）と韓流スターのオスカー（ユン・サンヒョン）が住んでいる。白いウサギを追いかけて“不思議の国”に迷い込んだアリスのように、この場所に足を踏み入れたライム（ハ・ジウォン）。ここでロマンティックコメディーとファンタジーが出会う、魔法にかけられたような恋が始まる。
財閥家、記憶喪失、身分の差など、韓流ドラマによくある背景が組み込まれているが、男女の主人公の魂が入れ替わる設定をはじめ、ハラハラドキドキの感情を刺激するテンポよいセリフなど、新たな韓流ドラマのジャンルを開拓したと評価される作品となった。
バブルキス、ヒョンビンの高級なジャージファッション、ヒョンビン自身が歌った主題歌などでも数多くの話題を集めた。放送期間中の終始、同時時間帯の視聴率第１位を記録し、国民的ドラマというタイトルを得た『シークレットガーデン』は、２０１０年の韓国文化と放送界の流行を先導したドラマである。

作品名	シークレットガーデン
出演	ハ・ジウォン、ヒョンビン、ユン・サンヒョン、キム・サラン
放送期間	２０１０、１１、１３～２０１１、１、１６
放送局	ＳＢＳ
監督	シン・ウチョル、クォン・ヒョクチャン
脚本	キム・ウンスク

財閥家の御曹司であるキム・ジュウォンは、いとこであり韓流スターであるオスカーに自分のデパートのイメージキャラクター契約を結ばせるために、スキャンダルを解決しようとする。しかし、平凡な生活を送っていたスタントウーマンのキム・ライムをスキャンダルの相手と間違えてしまう。ジュウォンは偶然と間違いで出会ったライムのことが忘れられず、彼女に近づくためにアクションスクールを訪れたり、ライムを追い回すようになる。しかし、ジュウォンの不器用な愛情表現はなかなかライムに伝わらない。ある日、デパート主催の「オスカーと共に行く済州島ツアー」で、ライムはマウンテンバイクの競争に参加し道に迷ってしまう。そして、心配で探しに来たジュウォンと共に、偶然に立ち寄った神秘ガーデンで果実酒をもらう。この酒を飲んだ次の日、二人の魂が入れ替わってしまう。二人は相手の人生を生きながら、より深くお互いを理解するようになっていく。

• キル・ライム（ハ・ジウォン）

お金がなくブサイクで、過去のある男は許しても、ジャブが遅い男は許せない。豚の皮をつまみに焼酎をどんなに飲んでも、スーパーモデル級のスタイル。化粧品はサンプルしか使わなくても、自らの輝きで隠しても隠しきれない美貌である。この美貌とスタイルで、なぜスタントウーマンをしているのかという問いには「運命です」と爽やかに笑う女。
いつもトップ女優たちの嫉妬の対象だった。美しいことで損をする、地球上でたった一人の女性。
消防士だった父親のおかげで、幼い頃から先頭に立ち、勇敢無双の精神でテコンドー、合気道を身に付けた。学級委員長にはなれなくても、町のガキ大将は彼女のものだった。このたくましい体で剣道と柔道もマスターした頃、事故現場で父親を失い、父親のようなすばらしい消防士になりたいというライムの夢も失った。大学進学もあきらめたまま、がむしゃらにお金を稼いだライム。
エキストラ出演のアルバイトに行き、そこでかっこいいジョンスの足蹴りを見る。これが運命の瞬間であり、神のお告げだった。

• キム・ジュウォン（ヒョンビン）

超高級の手作り靴マニア。濃い眉毛、鋭い鼻筋、引き締まった体つき、女を捨てる時でさえ甘い。神の愛を受けるにふさわしいこの男は、頭脳までもセクシーである。１回のインタビューでアメリカの名門大に入学、最優秀学生として卒業した。どこへ行っても生まれながら持った美貌で女心を虜にし、巧みな話術で男たちの魂を吸い取る。
譲り受けた財産、そしてこれから引き継ぐ財産がどれだけあるのか正確には分からない。母方の祖父であるムン会長からロエルデパートを受け継いですぐに、超ＶＩＰ戦略で業界１位を奪い取った。
しかし、一週間に２日間の出勤で、社員たちからは憎まれるほどの傲慢の結晶体であった。よく言えば勇敢だと賞賛されるかもしれないが、そうは思わない人たちには、いつも陰口を言われた。

• オスカー（ユン・サンヒョン）

韓国歌謡界の歴史は、オスカーのデビュー前後で大きく分かれる。
ワイルドに生まれてキラースマイルと、“オートチューン”のおかげで日本でも中国でも、アジア中の女性達の心を虜にした最強の韓流スター。
母方の祖父であるムン会長のスマートな頭脳は、ジュウォンに受け継がれたが、ブラックホールのような魅力は、オスカーに受け継がれた。母親を除いて世の中の全ての女性を征服するという男。
ある日、嫉妬したくなるほどの才能を持ったサンと出会う。しかし、光り輝くこの才能の大きさほど傲慢な男であった。契約金として白紙小切手を渡すが、それでも断られる。鼻の高いオスカーのプライドは傷つく。

• ユン・スル（キム・サラン）

財閥と庶民の前に「人生」という試験問題が置かれる。
大部分の庶民は、４つの選択肢の中で、どの答えが正しいかを選択して答案用紙に書くことも出来ない。
それならば、ユン・スルは？モンブランの万年筆で５番と書くだろう。自分の人生の答えは自分でつくる。
家ではおとなしく花嫁修業をして嫁げといわれるが、幸いにも美人で、勉強もでき、財閥家の新郎と出会い結婚する前に、スターを連れて軽い恋愛でもすることに決めた。
ＣＦ監督としても名前を広めたいったが、周りからは、父親のコネのおかげだと言われる。
神経を使わない装いと、化粧をほとんどしていない顔が、「ユン監督」という呼び名として思いのほかもっともらしく似合っていた。しかし、全てヴィンテージのコンセプトに過ぎない。大きな穴のたくさん開いているニットは、デパートには売っていないイタリア製のものだ。

• ソウル・アクションスクール

キル・ライムがスタントウーマンとして働くアクションスクールの舞台となったところ。ジュウォンがライムに会うために、このアクションスクールに訪れ、さまざまな事件が起こる。京畿道坡州市のヘイリ文化芸術村にあるソウルアクションスクールは、アクション映画のジャンルを活性化させ、よりレベルの高い映画を作るために、才能ある人材の発掘と演技訓練のために造られた施設。これまでにも数多くの韓国映画やドラマにおけるアクションシーンの演出や俳優指導が行われている。