みなさんこんにちは

今週に入ってますます気温が下がり寒くなっています。
紅葉も散り始め、本格的な冬に向かっています。

今回は“ソウル灯篭祭り2012(서울 등축제)”をご紹介します。
このお祭りは、都会を流れる清渓川で2012年11月2日から11月18日まで開催されています。

光化門広場の近くで清渓川の出発地点ともなっている清渓広場や清渓川の川の中、
清渓川に架かる橋の上などに、灯篭が飾られています。
2009年から始まったこのお祭りは、今年で4回目を迎えます。
毎年趣向を凝らしたさまざまな作品を見学することができます。
ソウル各地でお祭りの広告も掲示され、多くの人々が訪れています。
清渓川沿いの遊歩道を歩きながら見学しています。
お祭りの開催期間中には、多くの人々で遊歩道が混雑するため、
出入口が一方通行に規制されたり、観覧案内や道を誘導するスタッフもいます。

今年のソウル灯篭祭りは「ソウルの根、先祖の暮らし」がテーマになっています。
このテーマの中で“漢陽都城”“朝鮮定都600年を導いてきた先祖たちの物語”“庶民の日常を語る”“開かれたソウル”などの展示が行われています。
清渓広場から約1,5kmにも及ぶ区間に約30,000もの灯篭が飾られています。

お祭り会場となる清渓川の周辺には、オフィスビルが立ち並んでいますが、
ビルの狭間に色とりどりの灯篭が飾られ、いつもとは違った清渓川の明るく華やかな光景となっています。

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清渓広場の噴水の上には、漢陽都城の灯篭が飾られています。
朝鮮時代の都であった漢陽の城郭や城門、都を囲む内四山の仁王山、北岳山、駱山、南山が再現されています。
門の前には守門将たちの姿もありました。ソウルの昔の姿を見ることができます。
清渓川の遊歩道に下りると、世宗大王の時代に発明されたハングルの古称である訓民正音(フンミンジョンウム)、
水時計の自撃漏(チャギョンル)、天体観測器の渾天儀(ホンチョンウィ)などをモチーフにした作品が飾られています。
朝鮮時代の歴代王と王妃が祭られている宗廟では、宗廟祭礼祭と呼ばれる儀式が行われています。
この国の重要な儀式である宗廟祭礼祭の中で演奏される、宗廟祭礼楽が灯篭で再現されています。

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“伝統婚礼”“シルム(朝鮮半島の格闘技)”“伝統遊び”“鍛冶屋”“洗濯場”など、昔の人々のさまざまなシーンが灯篭で表現されています。
生き生きとした人々の生活が感じられます。
韓国の歴史や伝統文化、風習などが、灯篭を通して多くの人々に伝えられています。
清渓川の橋の上には巨大な崇礼門も飾られています。
崇礼門は南大門の名でも親しまれています。
実物の門は現在復元工事が行われていますが、灯篭で見る門もとっても美しいです。

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子供たちに人気のキャラクターをモチーフにした灯篭もあります。
人気アニメのポロロの前には、たくさんの人々が集まって記念写真を撮影していました。
ポロロ灯篭前の遊歩道は人々で大渋滞となるほどの人気です。

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韓国の作品だけではなく、世界各国の団体が製作した作品も展示されています。
異文化や各地域との交流が図られています。
シンガポールは、巨大な“パイナップル灯篭”を展示しています。
フィリピンは、貝殻で作られたさまざまな形の灯篭が展示されています。
日本は、青森県五所川原市の“立佞武多(たちねぷた)”や秋田県湯沢市の“絵どうろう”が展示されています。
海外のお祭りなどで展示される灯篭作品が見られるのも貴重な機会です。

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橋の下には世界中の民族衣装を着た子供たちの灯篭が飾られています。
韓国各地の地方自治体のキャラクターも展示され、各地域のお祭りや特産品なども灯篭で紹介されています。
音楽が流れたり、動く灯篭などもあっておもしろいです。
訪れた人々が参加する灯篭作りや清渓川の一部の区間でメッセージを書いた灯篭を流す体験イベントも行われています。
ソウル灯篭祭りには多くの外国人観光客も訪れています。

一つ一つの灯篭が精巧に作られていて、作り手の人たちの思いも伝わる温もりある作品です。
だんだんと日も短くなり夜が長くなってきたので、夜を楽しむお祭りに出かけてみるのもいいですね。
やさしい光の灯篭を見ていると、体も心も温かくなります。

韓国旅行へお越しの際は、季節ごとに開催されるイベントもチェックしてみてください。