みなさんこんにちは

最近のソウルは雨の日が多く不安定な気候が続いています。
8月上旬に比べると気温は下がってきましたが、湿度が高く蒸し暑いです。

今回は国立光州博物館(국립광주박물관/クンニックァンジュパンムルグァン)をご紹介します。
韓国南西部の光州広域市(광주광역시/クァンジュクァンヨクシ)にあります。
ソウルの龍山駅から高速鉄道のKTXで約3時間ほどの距離に位置しています。
光州の周りは全羅南道となっています。
地方都市の一つであり、光州と全羅南道地域の行政、文化、経済の中心地となっています。

光州では、「光州ビエンナーレ」と呼ばれる偶数年の9月から11月に開催される国際現代美術祭や、「世界キムチ文化祭」などの大きなお祭りも開催されています。

博物館は、光州と全羅南道地域の歴史や伝統文化を広く伝えるために、1978年に開館しました。
開館30周年を迎えて、2010年には展示館がリニューアルされました。
国宝に指定された文化財を含めて、約65,000点余りの所蔵物があります。
地方の貴重な文化財の数々を見学することができます。
さまざまなテーマの教育プログラムも開催され、周辺市民にも親しまれる博物館となっています。
夏休み期間中ということもあり、多くの家族連れが観覧に訪れていました。

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大自然に囲まれた土地に、特徴的な瓦屋根の博物館が建てられています。
博物館の周りは庭園が広がり、野外展示も行なわれています。
きれいな花々も咲いていました。

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館内は常設展と企画展が行なわれています。常設展は、時代別に展示室が分かれています。
博物館を入ってすぐの所にある中央ホールには、高さ約2mの「中興山城双獅子石燈」が展示されています。
国宝第103号に指定されている統一新羅時代のものです。
二匹の獅子が胸を突き合わせている姿が特徴的です。

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先史文化室では、旧石器時代から紀元前後までの文化に触れることができます。
光州と全羅南道の地域では、6万5千年前頃から人が住んでいた跡が発見されています。国宝の青銅遺物や出土した土器などが展示されています。

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古代文化室には、国宝295号に指定されている「金銅冠」が展示されています。
中・近世文化室には、高麗から朝鮮時代にいたるまでの文化がジャンル別に展示されています。
この地域の仏教文化や陶磁器文化などにも触れることができます。

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企画展示室では現在「康津(강진/カンジン)」の展示が行なわれています。
康津は、全羅南道にある郡の一つです。
光州博物館では、全羅南道の市や郡を対象に毎年各地域の歴史や文化が紹介されています。
全羅南道の地域は、陶磁器の製作に必要な胎土や焚き物が豊かなことから、古くから優秀な高麗磁器が生産されていました。
陶磁器の製作過程の紹介や、美しい青磁、白磁、粉青沙器が展示されています。
同じく全羅南道の新安(신안/シナン)郡の沖合いに600年間沈没していた貿易船から、長年に渡って発掘された文化財も展示され、東アジア地域の海上交易の歴史を知る重要な資料となっています。

光州博物館の建物の横には子供博物館があります。
子供たちが見学するだけではなく、実際に触れたり、体験したりしながら、地域の歴史を学ぶことができます。

国立光州博物館では、歴史や伝統文化など、地方ならではの特色に触れることができます。
インフォメーションの近くには日本語のパンフレットもありました。

韓国旅行へお越しの際は、地方の観光もお楽しみください。