みなさんこんにちは

ソウルの朝晩はまだまだ寒いですが、日中にはだいぶ気温が上がってきています。
徐々に暖かさが感じられる気候になってきました。
外で運動をしたり遊んだりする人々の姿も多くなっています。

今回は国立民俗博物館で開催された“デボルム祭り”をご紹介します。

デボルム(대보름)は、「大きな満月」という意味です。
旧暦の1月15日にあたり、新しい年を迎えてはじめての満月の日のことです。
旧暦の1月1日を「大正月」と呼ぶのに対して、
このデボルムは「小正月」または「正月デボルム」などとも呼ばれています。
今年のデボルムは先週の日曜日2月24日でした。
この日は、全国各地で1年の健康と豊作を願うさまざまな行事が行われます。
農耕社会の中では、重要な行事の一つとなっています。

景福宮の敷地内に位置する国立民俗博物館では、2月21日と24日にデボルム祭りが開催されました。
建物の周りの広場や野外展示場では、さまざまな催しが行われていました。
今年のデボルム当日は日曜日ということもあり、多くの家族連れが訪れ賑わっていました。
デボルムの伝統的な風習に触れるよい機会です。

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国立民俗博物館に併設された国立子供博物館前の広場では、
藁で作られた塔を中心に、藁の束を結びつけ縄にしている人々がたくさんいます。
これは“ピョッカリッテ(볏가릿대)”と呼ばれ、長い竿に穀物の穂を結び付けて、豊作を祈願する風習です。
各地域によっても特色があるといわれています。
韓国の伝統的な行事ということもあり、テレビ局の取材も行われていました。

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会場には、韓国の伝統遊びを体験するコーナーや世界各国の伝統楽器が体験できるコーナーもありました
伝統遊びでは、羽やリボンなどが付いたおもちゃを蹴り続ける“チェギチャギ(제기차기)”、
壺の中に矢を投げ入れる“トゥホ(투호)”、鉄の輪を回して遊ぶ“クルロンセ(굴렁새)”など、子供も大人もいろいろな遊びにチャレンジしています。

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お祭りでは、農楽の公演も行われています。
農楽は、朝鮮半島の伝統芸能の一つです。
農楽も各地域や団体によって、さまざまな特色があるといわれています。
伝統的な打楽器を使ったリズミカルな演奏が響き渡っています。
一般の子供たちも楽器のレッスンを受け行列に参加しています。
見学に訪れた人々も踊ったり手拍子をしたりしながら一緒に楽しんでいました。
多くの外国人観光客も見学しています。

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今回の農楽の演奏には、“ジシンパルギ(지신밝기)”の意味もあります。
ジシンパルギは、土地の神様を慰めて一年の無事を祈願する行事です。
伝統楽器を演奏しながら村の家々を回るという風習があります。

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デボルムの日には、“キィバルギスル(귀밝이술)”“プロム(부럼)”“オゴッパッ(오곡밥)”など、決まった食べ物を食べる風習もあります。
キィバルギスルは、デボルムの朝に飲むお酒のことです。
耳がよく聞こえるようになり、今年もよい話がたくさん耳に入ってくるようにという意味があります。
プロムは、落花生や胡桃、栗などの硬い殻を割って食べるナッツ類のことです。
これは1年間、吹き出ものなどができない健康な肌でいられるようにという意味や歯が丈夫になるという意味、
殻を割った時のカリッという音で悪い鬼を追い払うという意味などがあります。
オゴッパッは、五種類の穀物で作った五穀飯のことです。その年の豊作への願いが込められています。

市場やスーパーマーケットにもデボルムの前には特設コーナーが設けられ、
落花生や胡桃、五穀飯の穀物などが大量に並ぶようになります。
現在も多くの人々が伝統的な風習を受け継いでいます。

博物館のお祭りでも、キィバルギスルやプロムが振舞われていました。
プロムはとってもかわいい巾着袋に入っていました。

韓国では旧正月をはじめ、旧暦によるさまざまな伝統行事が行われていることがよく分かります。

韓国旅行へお越しの際は、韓国の伝統行事にも触れてみてください。