みなさんこんにちは

ソウルは先週の日曜日に雪が降り続き、15cm以上の積雪となりました。
地面にはまだたくさんの雪が残っています。

今回は、朝鮮王陵の宣陵・靖陵(선릉・정릉/ソンヌン・ジョンヌン)をご紹介します。
ソウルの江南に位置しています。
宣陵は、朝鮮王朝第9代国王である成宗(성종/ソンジョン)と貞顕王后を祀った王陵です。
靖陵は、朝鮮王朝第11代国王である中宗(중종/チュンジョン)を祀った王陵です。
同じ敷地内にあり、三つの王陵があることから三陵公園とも呼ばれています。

朝鮮王朝の歴代王と王妃を祀った朝鮮王陵40基は、ユネスコの世界遺産に登録されています。
王陵は全国各地に点在しています。
一つの王朝の王と王妃の墓が完全に保存されていることは、世界でも珍しいといわれています。
朝鮮王陵からは、儒教精神や風水思想なども感じられます。

人気ドラマ『宮廷女官チャングムの近い』は、中宗王の時代であり、主人公のチャングムは中宗の主治医を務めました。
韓国の歴史ドラマにも歴代の王が登場し、さまざまな角度から歴史や王の姿に触れることができます。

宣陵・靖陵は、都会の中に位置し、オフィスビルやホテル、住宅などに囲まれています。
広大な敷地には、都会とは思えない自然の姿があり、周辺市民の憩いの場ともなっています。
他の王陵に比べ、地下鉄駅からも近くアクセスも便利です。

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入口付近には、世界遺産登録を示す石碑が設置されています。
自然の地形をいかした王陵では、季節ごとにも木々や草花の姿が変わり、違った景観を創り出しています。
敷地内には散策道が続き、運動をしに訪れる人もいました。

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宣陵は、西側に成宗と東側に貞顕王后が祀られています。
1495年に成宗が埋葬され、1530年に貞顕王后が埋葬されました。
王陵にはいくつかの分類がありますが、王と王妃の陵寝(墓)が二つの丘に造られた“同原異岡陵”と呼ばれています。
神聖な空間であることを示す紅箭門からは、石畳の二つの参道が続いています。
左側のやや高くなっている道は亡くなった王の魂が通る“神道”、右側の道は祭祀を行う王が通る“御道”となっています。
参道を進むと、特徴的な丁字閣があります。丁字閣は、死者と生者が共存する領域といわれ、神主を祭り祭祀を行う場所となっています。
宣陵は、二つの陵寝の中間に陵域の入口となる紅箭門と丁字閣が設置されています。
陵寝の前には、人間や動物の石像が並んでいます。

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靖陵は、中宗の単陵です。中宗は、成宗と貞顕王后の間に生まれました。
1545年に第一継后章敬王后の禧陵の右側に埋葬されましたが、1562年に第二継后文定王后によって現在の場所へ移されました。
単陵であるため、紅箭門と丁字閣、陵寝が一直線上に整えられています。
丁字閣に入る階段も2箇所設置され、“神階”と“御階”が造られています。
丁字閣の横には碑閣があり、墓碑が奉安されています。
丁字閣には、祭礼儀式の様子やお供え物が写真で紹介されています。現在も引き継がれる祭祀が、大変重要で大きな行事であることが分かります。

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宣陵と靖陵の間に位置する斎室は、王陵の管理や祭礼準備のために使われる建物です。
韓国の伝統的な建築様式を見ることができます。

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敷地内には歴史文化館もあります。
宣陵・靖陵や朝鮮王陵についての資料が展示されています。
映像によって王陵ができるまでの過程なども紹介されています。
案内板には日本語の表示があったり、日本語のパンフレットもあります。

王たちはどんな思いで現在の世の中を見つめているのでしょうか。
朝鮮王陵からも、それぞれの王の業績や時代背景を知ることができます。

韓国旅行へお越しの際は、朝鮮時代の歴史にも触れてみてください。

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